水耕栽培の肥料濃度 薄すぎて問題になるのは?
「水耕栽培の肥料濃度 EC??ms/cmがいいの?」
「水耕栽培の肥料濃度 濃すぎて問題になるのは?」
以上の記事を以前に記載して続編で「薄すぎて問題になるのは?」を作るつもりがすっかり忘れたままになっていました。
今回はその続編。
薄すぎて問題になることについて記事にしてみました。
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水耕栽培の理想的な肥料濃度、以下の記事で説明しているように絶対的な数値がある訳ではありません。
「水耕栽培の肥料濃度 EC??ms/cmがいいの?」
「水耕栽培の肥料濃度 濃すぎて問題になるのは?」
植物にとっては薄い方がより吸収しやすいと聞いたことがあります。
じゃ、極端に薄くするといいのか?
当然ですが薄いと吸えなくて不足して欠乏症状が出てきてしまいます。
それは誰もが想像できるところですが、循環型の水耕栽培の場合、土栽培や簡易水耕と大きく違うところがあります。
それは、液肥の中に必要な成分がいくら少なくても、その成分が存在さえしていれば、循環していることでいつか根の吸収面とその成分が接触して吸収することができるのです。
【根の表面で起きていること】
何度か説明していることですが土栽培、簡易水耕、循環型の水耕(ハイポニカ)の根の表面で何が起きているか?
★土の根の表面で何が起こっているかの図解です。
①根の表面に密着している水、栄養分は根から吸収することができます。
②しかし、根から数ミリでも離れたところにある水や栄養分は
たとえ土の中にあったとしても根から吸収することができません。
③そこで上から水を与えます。そうすると土の中にある水や栄養分が
根の表面に移動し、
④吸収することができる状態になるのです。
土耕の根の表面ではこの様な欠乏状態と供給状態を繰り返しています。
土の栽培でこまめな散水が良いとされているのはこれが理由なのです。
★簡易水耕の根の表面では?
土栽培に限らず養液土耕、固形培地栽培、非流動型の水耕栽培においても土栽培の根の表面と同じ現象が起こっています。
プクプクでは酸素を与えていますが流れがないので土のよくにた根の表面での欠乏症状が起きているのです。
土と違って水だから流れがなくても拡散するのでは?と思うかもしれません。
でも、動きのない水中ではなかなか拡散による成分の移動は進まないのです。
お風呂に入った時、熱いお湯につかっていると、じっとしていれば熱くなくなるけど、少し動くとまた熱くなってしまう経験は誰しもしたことがあると思います。
これは温度での境界ができる例ですが、肥料成分でも同じようなことが起きるのです。
★循環型の水耕栽培の場合
ホームハイポニカはこの流れを重視した装置です。
流れがあることで吸っても吸っても根の表面では次々新しい肥料成分や酸素が供給されるのです。
だから、循環型の水耕栽培の場合、極端なことを言えば必要な肥料成分が液肥の中に存在していればいいのだから、濃いよりも極力薄くして吸収しやすくする方がいいということになります。
これは循環による接触回数の多い循環型の水耕栽培に言えることで、土栽培や簡易水耕の場合はある程度の濃度を入れて動きがなくても根への接触を増やす必要があります。
【微量要素の欠乏】
ですが、じゃあどれだけ薄くてもいいのか?
ここで問題になるのが肥料成分の中でちょっとしか入っていない微量要素。
※肥料成分の微量要素については以下の記事をご参照ください。
「水耕栽培肥料と土栽培肥料の違い」
農業の装置のように大きな大きなタンクでたっぷりの液肥を循環させているならともかく、
小さな限られた容積で栽培する家庭用の水耕栽培では肥料成分の絶対量が限られているので、
薄いとこの微量成分がなくなってしまうことも。
分かりやすく単純に図解するとこんな感じ。
生長とともに液肥が減ったら、水と肥料を追加して栽培しますが、
小さい容量で栽培をしていると絶対量が少ないので少ない成分はなくなったり、
あまり吸わなかった成分は多く蓄積して残ったり肥料成分のバランスは崩れやすくなります。
ですがこの5倍の容量で育てると、同じように成分の吸収に偏りがあったとしても絶対量が大きいので大きな崩れになりません。
上の容器では成分が0になってしまった緑丸の成分が、
下の5倍の容器では成分が液肥の中に存在することになります。
循環型の水耕栽培であれば下のように容器の大きい装置で栽培すれば薄い濃度でも微量要素が欠乏しづらくなります。
でも小さい容器であればあまり薄い濃度で育てると欠乏症上が出やすくなる可能性があります。
【だからどうなの?】
なんだかまどろこしい解説になってしまいましたが、
肥料濃度は理想とする絶対的な数値がある訳ではありません。
装置の大きさや育てるものによって変わってくるからです。
「そんな回答じゃ困る」と思うかもしれませんね。
でも濃くても徐々に濃くなるには作物も慣れます。
薄くても成分さえあれば循環型の水耕栽培なら生育します。
できるだけ大きな容量で育ててやる方が欠乏症状が出にくいです。
でも小さい装置でも心配はいりません。
バランスが崩れているなら何となく生育が悪く感じたら液肥を新しく作り変えればいいのです。
以下の記事をご参照ください。
「液肥更新(交換)、良い効果と注意した方がいいこと」
要はそれ程肥料濃度の数値に神経質になる必要はないということです。
それよりは
●しかっかり日照が当たっているか?
●温度の条件はいいか?
●病害虫は早期発見できているか?
●液肥の補給はちゃんとできているか?
そんな他の要因の方が植物の生育に大きく影響します。
もちろん、肥料濃度が安定することはいいことです。
農家さんや研究機関などでは肥料濃度をできるだけ一定にさせて栽培をします。
それに越したことはありません。
もしできるのであれば是非肥料濃度を一定にして安定した環境にしてあげてください。
でもそれはとても大変な作業。
農業で生業としているならともかく、家庭菜園ではそこまでする必要はないということです。
肥料濃度という数値に振り回されず、作物の様子をよく見てあげてよりよい生育環境を整えることに力を注いであげて欲しいと思います。
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