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トマトやミニトマトの葉が巻いてる状態は肥料過多・窒素過多なのか

お客様から以下のご質問をいただきました。

「夕方になると、葉がくるくる巻いた状態になっています。
朝よりも夕方の方が症状がひどいような気がします。
ネットとかで検索すると、肥料過多、チッソ肥料過多などが
見つかります。確かに一週間ほど前に肥料の量を間違えて、
多く入れたため、ECの値は3.8~4.0位になったことが
数日ありました。その後液肥槽から液を抜き、水だけを加え
濃度を下げました。現在はECが2.0~2.4となっています。
ただ、葉は写真のように巻いた状態の物が見られます。

 そこで質問なのですが、液肥槽の水を抜き、水を加える方法
(薄める)対応は、大丈夫なのでしょうか?それとも全部の液を抜き、
全く新しい液を作り直した方がいいでしょうか?
 そもそも、この写真のような葉が巻く状態はネットにあるような、
肥料過多、チッソ肥料過多の状態ですか?
 チッソ過多の場合はどのような対応をすればいいのでしょうか?」

DSC_0438_Re.jpg

DSC_0439_Re.jpg

まず、窒素過多とか肥料過多(生長過多・栄養生長・樹ボケetc)の典型的な状態は以下のような感じです。
CIMG0859_Re.jpgCIMG0861_Re.jpgCIMG1073_Re.jpgCIMG0933_Re.jpg

葉も茎もゴツゴツしていて、樹勢が強すぎる感じです。
それに比べると、ご質問の方のミニトマトはどちらかと言うと細くスリムな感じです。
このような細くスリムな感じでも葉が巻いているのが肥料過多の状態なのか、実は私もよく分かりません。

いろいろと過去の栽培の記憶をたどって同じような状態だったものがないか探してみたのですが、写真には残っていませんでした。
でも、割とよく見る症状です。

今年の栽培にも同じような状態の物がありました。
CIMG5837_Re.jpg
各枝が細くて、他の栽培に比べると勢いが弱い感じです。
でも、根が悪いのかと確認すると
CIMG5839_Re.jpg
白くてきれいな根が伸びてますので問題ありません。

もう一つは室内の窓際で日照不足の状態で育っているミニトマトです。
CIMG5857_Re.jpg

CIMG5859_Re.jpg

こちらは日照不足で葉が薄く、そのせいか葉が少し巻いている状態になっています。

葉が巻くような症状、肥料過多でなっているのか?詳しいメカニズムを私は知りませんし、説明もできません。
でも、長年家庭菜園での水耕栽培をしている経験からは、生長のバランスが崩れた時に発生しているような気がします。

水耕栽培、特に湛液循環型のハイポニカ栽培においては、
nagare00.gif
根が伸びやすい環境で、流れがあり、いつでも肥料や水が吸える状態なので、根が元気で勢いが強いです。

でも、地上部分はいつでも、根の元気に見合っただけの生長ができるとかと言うと、そうでもなく、気温が低かったり、日照が少なかったり、急激に気温が乱高下したり、曇天が続いたり、様々な地上部の状況によっては、根の勢い程、地上部が生長できないことがあります。
どうもそんな時に葉が巻いたり、異常主茎になったり、樹が暴れる状態、肥料過多・窒素過多・樹ボケなどと言われるような症状になるように感じています。

土の栽培の場合は水耕環境に比べると、落ち着いた、慎重な生長をします。
tuti.gif
水や肥料がいつもらえるか安定していないので、無茶して生長せず、慎重にじっくり生長します。
そのため、気温が低かったり、日照が少なかったり、急激に気温が乱高下したり、曇天が続いたりの地上部の環境変化にじっくりゆっくり対応するので、根と地上部の生長バランスを急激に崩すことがなく、水耕栽培ほど、肥料過多と言われるような症状になりにくいと思っています。

今回のご質問者の方の症状ですが、まずは根の状態を見てみてください。
根が茶色に変色していたり、スーと伸びやかに伸びていないような状態の場合、根の異常を疑って、何らかの対応をしてやる必要がありますが、根がきれいに元気に伸びているのであれば、特に気にする必要はありません。

根と地上部の生長のバランスの崩れが何らかの原因で起こっただけで、その状況に慣れてくれば、徐々に植物自身がバランスを保ち、落ち着いてきます。

そしてそもそも肥料過多・窒素過多・生長過多・樹ボケ・樹が暴れるような症状は悪いとされていますが、本当に悪いことなのでしょうか?
ハイポニカ栽培では特に悪いこととは捉えていません。
収穫した実を商品として販売する場合には、いろいろな条件がある中で、肥料過多の症状が利益に反する場合がありますが、家庭菜園においては、悪いことではなく、逆に元気で良いことではないかと思っています。
※詳しくは以下の記事をご参照ください。
「水耕栽培の生長過多・樹が暴れる・樹ボケ・樹勢が強すぎるについて」
eiyoukata.gif


今回ご相談のあった症状は肥料過多や窒素過多の症状かは分かりませんが、もしそうであれば、急な日照不足とか気温の変化でちょっと生長のバランスを崩しただけだと思いますので、このまま気にされず栽培していただければ大丈夫です。

特に脇芽をできるだけ伸ばして、生長の力を分散していき、気温が上がってくれば、肥料過多の症状は収まってきます。

suikoututine01.gif

質問内容
「一週間ほど前に肥料の量を間違えて、多く入れたため、
ECの値は3.8~4.0位になったことが数日ありました。
その後液肥槽から液を抜き、水だけを加え濃度を下げました。
現在はECが2.0~2.4となっています。

 そこで質問なのですが、液肥槽の水を抜き、水を加える方法
(薄める)対応は、大丈夫なのでしょうか?それとも全部の液を抜き、
全く新しい液を作り直した方がいいでしょうか?」

今回の場合は全部入れ替える必要はありません。
EC3.8~4.0はトマトにとって耐えられない程濃い肥料濃度ではないからです。
※以下の記事をご参照ください
「肥料濃度が濃すぎて問題になることは」

逆に全部入れ替えると、液温が変わりすぎるので春先の植物にとってはバランスを崩すことになったかもしれません。
※以下の記事をご参照ください

根の病気が蔓延しているような状況なら全部を入れ替える方がいいですが、そうでなければ、液温の変化が小さいように注意してあげてください。

とまとんぼくの話を聞いてよ01 
ぼくたちは、水耕栽培でも土の栽培でも、おかれた環境で出来る生長を無理をせず、でも手抜きもせず、できる精一杯の生長をしているだけなんだ。
なのに、「窒素過多でダメだ」とか「樹ボケでダメ」とか言わないで欲しいんだ。
そうなっているには理由がちゃんとあって、それは僕たちが選んだその時のベストの状態なんだよ。
できることを地道にがんばっている僕たちをゆっくり見守ってほしいです。
とまとんでした01


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2020-05-18 : 未分類 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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