水耕栽培のpH調整

pHの調整ってどうすればいいの?
とってもよくあるご質問です。

水耕栽培で最適と言われているpHは
作物によっても違いますが一般的には6.0~6.5と言われています。

ですが家庭菜園での水耕栽培において調整液でのpH調整を当店ではお薦めしていません。
どうしてもpHが高い、もしくは低くて植物の生長が悪い、調子が悪い場合は、
液肥のpHを調整するのではなく、液肥を交換してもらっています。

※液肥更新(交換)についてはこちらの記事をご参照ください。
「液肥更新(交換)の良い効果と注意した方がいいこと」


なぜpH調整をお薦めしていないか?
理由を説明するためにまずはpHが上がると何故悪いか?
pHが下がると何故ダメなのか?こちらの説明から。

まずよくあるのはpHが7.0以上に上がってしまうこと。
こうなると肥料成分の一部が植物にとって吸収しづらくなります。
特に鉄分の吸収が悪くなり、新芽の葉色が黄色くなりがちです。

こちらは春菊の鉄欠症状(春菊は鉄欠がでやすいんですよね)。
tetuketu.gif
春菊は真ん中のギザギザの葉っぱです。
葉が黄色くて葉脈の緑が目立っているでしょう?
春菊に限らず、こんな感じの葉が生長点に出てくると鉄欠の可能性が高いです。

鉄など必要な成分が欠乏しているのですから
それにともなって生育も何となく勢いが悪くなります。
極端に枯れるとかそう言ったものではありませんが、
できればpHは高くなりすぎないのが理想です。

でも左端のサラダ菜や右の小松菜は鉄欠の症状はありません。
同じ液肥で育っているので特に春菊が鉄欠症状が出やすいってことが分かると思います。

このように単純にpHが高いからと言っても、いくら以上の数値が悪いというより、
pHが高いことによって
●葉色が悪くなるとか
●根が悪くなるとか
●生長が悪くなるとか
具体的に症状が出ていないのであれば特に問題はないです。


あとはpHが低くなること。
あまりこのようなことはないのですが、
●肥料濃度が濃いとpHは低めになります。
低めと言っても5.0~6.0程度。
それ以上低い場合は
●原水に問題があるか?
●測定機器に異常があるか?
●もしくは植物が何らかの成分を根から出して下げているか?

どうも植物自身が根から何らかの老廃物のようなものを出していて、
その影響でpHが下がることがあるようです。
kousin9.gif

ウリ科の植物を育てる時はpHが下がることがありますが、
下がった値で安定していて生育に問題がなければ特に問題ありません。

ですが植物が老廃物を出してpHが急激に下がる場合は、
植物にとって何かよくない状況になったということで注意が必要です。

農業用で利用している例ではpHは上がって困ることはよくあるのですが、
下がること自体がめったにありません。
逆に言えばもしpHが極端に下がっていたとすると
何かよほどの変化があったと考えるべきで、
温度や肥料やいろいろな条件のチェックが必要になります。


ここまでpHが上がった場合、下がった場合の状況をお伝えしましたが、
ではこうなった時どう対処すればいいのでしょうか?

pHの調整方法ですが、
肥料組成に影響がなくpHを下げる薬剤として正リン酸が農業の現場で使用されています。
1000リットルの液肥に正リン酸を20cc入れるとpHが約0.5下がります。

これをホームハイポニカ601型に換算すると
12リットルの液肥にリン酸を0.24cc入れるとpHが約0.5下がる計算になります。

0.24cc! 
測定するのが難しい量ですし、ちょっと間違えて増えると
急激にpHが下がってしまうことになります。

農業の現場では何千リットルの水に正リン酸を加えるので
極端なpHの変化にならないため、正リン酸を利用していますが、
ホームハイポニカなど小さい水量の家庭菜園の水耕栽培でリン酸を使うのは危険が多い!

実は植物にとってpHの高い低いよりも問題なのは
急激にpHが変化することなのです。
もちろんずっと高い状態もずっと低い状態もいいとは言えませんが、
それよりも急激な変化は植物に想像以上のダメージを与えます。

そのため家庭菜園で利用いただいている水耕栽培では
あまりpH調整をお勧めしていません。
良かれと思って調整したところが急激な変化になってしまって
返って植物の調子が悪くなった・・・という危険性が高いからです。

また正リン酸は強酸で手などにつくと火傷をしてしまいます。
取扱も難しいのでご利用はお勧めしておりません。

pHを下げる場合のリン酸の使い方が難しいとお伝えしましたが、
上げる場合、つまりpHが極端に低い状態はまず何かの問題があります。
おそらくpHが原因なのではなく何らかの悪い条件のために、
結果pHが下がってしまっている…。

こういった場合、単純にpHを上げれば解決する訳ではありません。

これらのことから、どうしても調子が悪い・・・
pH値が高いor低いようだ・・・
とご心配になる時はpHを調整するのではなく、
液肥を全体もしくは半分でも捨てて新たに作り直しをしていただいています。

※液肥更新(交換)についてはこちらの記事をご参照ください。
「液肥更新(交換)の良い効果と注意した方がいいこと」


そして最後にpH測定器の不確かさをお伝えしておきたいです。
pHの測定器、精密機器のためちゃんとしたお手入れや校正作業が必要です。
それをきちんとした上で測定いただければいいのですが、
なかなか校正が出来ていない状況でpHを測定され、
数値が悪いからといって液肥を調整しようとする方が多いです。

また、私の経験上、pH測定器は精密過ぎて、
数年や下手すると数ヶ月でセンサーが劣化してしまうんです。
センサーが劣化していると校正してもうまく測定できません。
機械が高価な割に壊れやすいんですよね。
※ちなみにECメーターのセンサーは割と鈍感で劣化しづらいように思います。

総合して言いたかったこと。
単純に機械の数値だけを頼る栽培をしないでほしいのです。
機械自体も正しいか分からないことと、
同じpHでも植物やその環境によっては影響がない場合もあるのです。

数値だけを見て数値を調整するのではなく、
植物の状態を見てあげてくださいね。


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2012-04-13 : 肥料・養液に関する疑問質問 : コメント : 0 : トラックバック : 0 :
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Author:ごきげん店長
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